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透明人間 2022.10.19 ~密着取材にて~

先日、奈良県宇陀市にあるこども食堂「ときわぎキッチン」さんの一日密着取材をさせていただきました。

取材は初体験で、私の中で「とにかく調理の邪魔をしないように」という思いから、現場入りしたときにも「お邪魔にならないように透明人間になったつもりで撮影させていただきます」とお声掛けして撮影を始めました。

この日の献立は「かぼちゃコロッケ、マカロニサラダ、大学芋、ウィンナー、ブロッコリー」。

およそ150食のお弁当を作るために、前日からの仕込みもありながら9時には5名で調理が始まっていました。みなさん手際よく、気心知れている方たちなのか、阿吽の呼吸で進められていく感じがしました。

途中、ときわぎキッチン代表の橋本道雄さんと、隣の部屋でお話を聞きながら、撮影を進めていったのですが、お昼前になり、気付きました。

ー私が撮影していないとき(別室にいるとき)の方がみなさんの笑い声が聞こえている気がする。ー

取材をするということは、普段の様子を撮影しながらも、そこにおられる方たちの「言葉」「本音」をいかに聞き出せるか。そして、普段の笑顔や楽しい雰囲気をいかにカメラにおさめらるか。

私の気持ちだけ透明人間になっていても、実際は透明人間にはなれないのだと実感し(当たり前なんですが(笑))、それからは、食品衛生管理士の橋本智美さんや、調理をされている方にも現場で質問をしながら撮影を進めていきました。

お昼が過ぎました。いつもなら、調理はほぼひと段落つき、午後からは配食がメインになるところが、この日のかぼちゃコロッケを作る工程が多く、(調理をするかたもこの日は用事で来られなかったこともあり)午後をまわっても、未完成のものがたくさんありました。

急遽、私もフォローをさせていただきましたが、間に合うのか不安ななか、ベテランの先輩主婦の機転の利く言葉や対応力で安堵し、笑い声が耐えることなく無事に配食も終えることが出来ました。

夕方、小学校の家庭科室に場所を変えてお弁当の配布開始。

多くの方がお弁当を買いにに来られ、「ママカフェ」にも参加してひと息ついて行かれる方も何名かおられました。

普段、家事や育児に追われる主婦たちにとって、毎月一回「堂々と夕食の調理をさぼっていい日」。

お弁当を食べる子供たちも嬉しそうに食べ、いつもは偏食するお子さんもこのお弁当なら食べた!というお声もあるそうです。

ひとつのお弁当ができあがるまでに、また、お弁当を食べる方たちにもいろんな方の想いやストーリーがありました。

こども食堂は、すべての方の「笑顔」につながる活動なんだと、感じました。

食べることは生きること。

これからのあなたへ、伝えたい想いがある。

一人でインタビューをしながら撮影をするのは、なかなか思うようにいかず、インタビューに対する私の相槌が音声に入ってしまったり、さりげないみなさんの会話での笑顔をおさめたりなど、一人ですべてをおさめることの難しさを痛感しましたが、自身の課題がわかり、とても勉強になりました。

取材にご協力いただいたときわぎキッチンの皆様、ありがとうございました。